UCLA Anderson MBA留学記 

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後田亨 『生命保険のウラ側』 朝日新聞出版

 今回はお金の話になります。お金の話って大体の人が嫌いますね。でも、すごく重要だと思います。「人生お金がすべてじゃない」とか「重要なのは金じゃない」って言いますけど、お金に困っていない人や、有り余るほどの資産を手に入れたからこそそう言えるんじゃないでしょうか?生活に困る人にとってはもはやお金が全てですし、基本的にだれにとってもお金は重要です。お金は人生の全てじゃないかもしれないですけど、確実に人生の軸はお金です。

 

 だから、生きるうえでお金に関する知識は誰しもが身につけておくべきことだと思います。でも、そんな大事な事なのに、教えてくれる人って中々いませんよね。学校では教えてくれませんし、家族内でも少しためらいがちで話題に上ることは少ないと思います。そうなると、自分で知識をつけていくしかないわけです。知識が無いと、白沼にどんどん搾取されていきます。それを周りのせいにすることも可能でしょうが、知らんぷりしていた自分にももちろん責任があると思います。だから、少しずつでもいいから自分でお金のことを勉強していくべき、私はそう思います。

 

 

 一般的な人にとって、人生で1番高い買い物は家だと言われています。では、2番目は?これは生活スタイルによって変わるようですが、車の購入・維持費や養育・教育費、保険などが上位に入ります。今回は、その保険についての本です。

 

生命保険のウラ側 (朝日新書)

生命保険のウラ側 (朝日新書)

 

 

 この本では、一般的な家庭における年間の保険料は約45万円と紹介されています。10年で450万円、30歳から定年まで30年間払い続けると1,350万円になります。これをはした金と思える位収入があるのであれば気にしなくてもいいのですが、普通は大金だと思いますよね。

 

 しかしながら、本当にこれだけの金額を払い込む価値があるのかと問われれば、皆答えられないのではないでしょうか?保険って仕組みが複雑で、皆商品性が良く分からぬまま人気があるものに加入している印象です。理解しようとしても複雑で面倒だし、とりあえず人気があるものに加入しておけば間違いないだろうという感じで、結果的に多額の手数料を支払ってしまっているのではないでしょうか。

 

 本書では、複雑な保険の仕組みをすべて理解する必要は無く、自分が理解できる者だけを利用すればよいとしています。そのうえで、

 

・保険は掛け捨てでいい

・できるだけシンプルなプランに加入する

 

という事が繰り返し強調されています。

 

  そもそも、保険はなぜ必要なのでしょうか?それは、不慮の事故がおきて貯蓄ではカバーする事ができないような多額の出費に対応する為です。

 

 まず一つ目は死亡の場合です。家族がいる場合、残された家族の生活の為にまとまったお金が必要です。ただし、だからと言ってやみくもに保証が厚いものに入ればよいというわけではありません。住宅ローンが残っている場合、残債については団体信用生命保険でカバーされます(連帯債務の場合は自己負担分のみ)し、遺族基礎年金が子供が18歳になるまで年102万円、年収600万円の人の場合遺族厚生年金が年額61.5万円支給されます。よって、それでも不足する部分について保険でカバーできればよいという事になります。

 

 二つ目はケガや病気による医療費です。こちらも高額療養費制度というものがあって、一定額以上の支払いについては健康保険が負担してくれます。

 

www.mhlw.go.jp

 

 上記サイトの資料によれば、例えば平成29年8月から平成30年7月診療分までの場合、69歳以下、年収330~770万円の人であれば、たとえ医療費がひと月100万円かかったとしても、自己負担分はひと月87,430円で済みます。

 

 そうすると、医療保険に入る必要性が本当にあるだろうか?ある程度貯蓄があれば医療保険はいらないのではないか?と考える人も増えるでしょう。

 

 

 節約のためにビールを発泡酒にしてみたところで、たとえ毎日350mlを1本飲むとしても年間節約できる金額は3~4万円ほどです。保険であれば、現在加入しているものを見直すことで毎年10万円以上節約する事も十分可能です。節約を考えるのであれば、やはり支出額が大きいところから検討すべきです。

 

 

 本書は保険について詳しくない人でもわかるように比較的簡潔に書かれており読みやすいです。是非一度読んでおくべき本だと思います。

GMAT Math の対策本 『GMAT Math オリジナル日本語解説通信講座テキスト』 

 GMATの勉強をしていた頃から、早1年半になります。今思い返してみても、GMATの勉強が一番きつかったですね。

 

 普通時間割いて勉強すれば点数は上がっていくものだと思います。定期的にランニングしてればマラソンのタイムは良くなりますし、毎日素振りしたら少しは打てるようになるはずです(少なくともスウィングスピードは上がります)。やれば上達するという当たり前の事が通用しなかったのがこのGMATでした。

 

 GMATはVerbalとMathの2セクションがあって、この2つの試験の組み合わせで点数がはじき出されます。特にVerbalは今まで受けてきた英語の試験の中でダントツに難しかったと思います。まあ、ネイティブスピーカーが受ける事を前提として作られているので当然だと言えば当然なのですが。もはや「英語の試験」というよりは「英語で試験」ですね。

 

 帰国子女とか、英語が母国語だとかいう人達はそれほど苦労しないのでしょうが、私みたいなずっと日本で生きてきた人間にとっては本当に苦しい試験です。

 

 となると、やはり日本人にとって難易度が低めなMathで高得点を取っておくというのが王道の戦略となります。GMATの試験は800点満点ですが、日本人が有名校を目指すなら700点が1つの目標となります。700点取る為には受験者の上位10%に入らないといけません(日本人受験者の上位10%では無くて、世界中の受験者の上位10%です)。上位10%に入る為には、Verbalで高得点を取るのが難しい日本人はMathでほぼ満点を取る事が必須となります。

 

 ある程度勉強時間を捻出して取り組めば、高得点を取るのはそれほど難しい事ではないと思います。ただ、ほとんどの受験者は仕事と並行して受験準備を進めるので、効率が非常に大事になります。MBA留学に来ている日本人学生と受験勉強について話していて共感するのは、「MBA受験は時間との戦い」であるという事です。

 

 受験準備に時間がかかってしまう原因の一つが、日本語のテキストが殆どなく、英語のテキストで勉強せざるを得ないという事だと思います。「英語の方が早く読めるぜ」とか、「英語の方がすんなり頭に入ってくるよ」という方には分からないかもしれませんが、普通は私と同じように英語だと読むのが遅くなり、理解するのも時間がかかるはずです。

 

 私が受験勉強していた頃はGMATのMathの日本語テキストはマスアカだけだったと思うのですが、新しい日本語テキストが出ていますね。

 

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『GMAT Math オリジナル日本語解説通信講座テキスト』

www.jmath.shop

 

 GMAT Official Guideの問題が題材となっていますが、単なる翻訳本では無く独自の解説によるテキストでした。公式問題集は解説がちょっと物足りない感じがしますが、こちらは図が多用してあって、私みたいな数学の知識が怪しい人間には分かりやすいです。時間と闘う受験生にとって日本語のテキストが充実していくのは頼もしい事ですね。

 

 勿論本番は英語で受けなければいけないので、英語のテキストに取り組む必要が有ります。また、最近はGMATのMathパートの問題は難化傾向にあるので、別途英語のテキストか何かで難易度が高い問題の対策をする必要があると思います。それでも、短期間に基礎を身につけるなら、やはり日本語のテキストがベストです。英語で引っかかるとストレスになって集中力にも影響がありますし、単語を調べないといけないってのも積み重なると負担ですからね。

 

 

 もう一つ時間に絡めて話をしておくと、GMATは試験も時間との戦いです。Verbalは時間が足りたことがありません。確実に時間が足りなくなります。長文をバンバン読み飛ばしても全く足りません。

 

 Mathに関しても、数学によほど自信がある人でない限り時間的余裕はないはずです。75分間で37問、1問あたり2分足らずで解き進めていかなくてはいけませんので、解き方にも工夫が必要です。GMAT Official Guideの解説は真正面から解き進める形で基本に充実なので、場合によっては答えを導き出すまでに結構時間がかかります。時間短縮の方法もあったりするので参考になります。

 

 

 

 受験生の皆さんはまだTOEFL勉強中かも知れませんね。だんだんと焦りとストレスが溜まってくる時期かと思いますが、頑張ってください!

 

 私のGMAT勉強法や使用テキストについてはこちらの記事をどうぞ。

toshihisa1527.hatenablog.com

 

 

toshihisa1527.hatenablog.com

 

高田創他 『2020年 消える金融』 日本経済新聞社

   マイナス金利導入が日本の金融機関の経営にどのような影響を与えうるのかを分析し、今後予測される利益の減少にどうやって対応すべきか、解決策を提案するという内容の本です。

 金融機関で働いている人達にとっては非常にホットな話題ですね。

 

 

2020年 消える金融

2020年 消える金融

 

 

 日本の金融機関は貸出金利が低下の一途を辿っており、国債運用でも今後暫くは利益が望めない状態で、新たな収益の機会を求めて試行錯誤しています。

 

 しかしながら、比較的金利が高い個人ローンの促進、アパートローンの促進、リスク性が高い金融商品の購入などは金融庁から懸念の声が出ており、どこの金融機関もジレンマに陥っている感じです。

 

 

  分析の中に、日本と欧州やアメリカの金融機関の違いについて触れられている箇所がありました。欧州でもマイナス金利が導入されましたが、金融機関の経営に与えた影響は日本と異なるようです。

 

 預貸金利差(銀行がお金を貸し出す時の利率と、預金に対して銀行が支払う金利の差)は欧州が2.5%程度に対して、日本は1.5%を下回る程度とかなりの差があります。どちらの地域も金利差は減少傾向にあるのですが、日本の方が早いペースで減少しています。欧州は預金に対する金利が日本より高かったので、そちらを低下させる事でここまでしのいできた、という説明があったと思います。日本は預金に対する金利なんてゼロに等しいですからね、マイナスにしない限り金利差を改善する事は出来ないわけです。

 

   金融機関に勤める人間としては素人感丸出しな疑問かも知れませんが、そもそもマイナス金利導入が貸出金利の低下に与える影響ってそんなに大きいのでしょうか?マイナス金利といっても、各金融機関が日銀当座預金に預けているお金全てに対して適用されるわけではありません。マイナス金利導入以前から預け入れられていた部分には通用通り付利され、新たに預け入れられた部分に対してのみマイナス金利が適用されます。

 

   マイナス金利導入以前から、日本の金融機関の貸出金利はアメリカなどと比べてかなり低かったはずです。とすると、貸出金利低下の主原因は別にあったんじゃないか、と思うわけです。

 

   「日本には金融機関がありすぎる。多すぎるから競争が激化して金利が下がるんだ」という主張をよく目にします。これは本当でしょうか?私がちょろっと調べたところ、日本には銀行(信金なども含める)が1,200ほどに対してアメリカはざっと5,200程あるようです。人口はアメリカが日本の2.5倍足らずに対して、銀行数はアメリカが日本の4.5倍程度あるわけですから、この数字を見る限りにおいては必ずしも日本に銀行が多すぎる、だから金利競争が激しくなったとは言い切れないと思うわけです。

 

   根本的な原因はそこでは無くて、実はお金を借りる側にあるんじゃないのか?(原因があるかも知れないといっているだけで、悪いといっているわけでは無いです)と思ったりするわけです。

 

   金利に関する私の疑問はこのくらいにしておきまして…

 

 

   こうした厳しい経営環境から脱却する方法として、本の中では

 

デットファイナンス(融資)に加えてエクイティファイナンス(投資)にも乗り出して、企業の資金調達に関わる機会を増やす。

②行員が経営者の視点を持つとともに、顧客である企業の経営者育成に努め、事業拡大を後押し、資金ニーズ拡大を図る。

③情報網を活かして地域金融機関が地域商社化、事業創出に取り組み資金提供をする。

 

   といった事が提案されていました。①に関しては、既に取り組んでいる金融機関も多いですね。ただ、投資は融資と比べてリスクが大きいので、各行様子を見ながらちょっとずつ試しているといった感じです。

 

   ②と③については全くその通りだと思いました。資金需要を増やす為にはそもそも金融機関も一緒になって事業を創出していく必要がありますし、その為には一人一人の銀行員が経営者として考えないといけない。

 

   ただ、実現させる為には今のままでは無理なんじゃ無いかと思います。経営者としての視点を得る為には、実際に商売をやって見るしか無いのでは無いかと。本を読んで勉強したり、経営者にあって話を聞いたりすることはいくらでもできますけど、実際に経営して見ないと分からない事って沢山あると思うんです。

 

   野球もそうで、本や動画を見て研究したり、プロの話を聞いて勉強することは可能です。でも、自分が選手として上達する為には、やっぱり自分でプレーするしか無い。プレーしない限り、頭の中の理解と実際の動きのギャップが埋まることはないんです。

 

   行員を企業に派遣してノウハウを身に付けさせるってのもいいですけど、やっぱり実際に商売をしてみるって事に勝るものは無いでしょうね。