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仕事について

独り言

 オリエンテーション3週目も無事に生き延びました。来週は早速統計学の試験が有ります。統計と言うととっつきにくい印象ですが、確率や平均、標準偏差等の基礎的知識があれば十分です。アメリカ人学生の中には数学が苦手な人が多い様子なので、この科目で良い成績を取っておきたいところです。

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 先週大学時代の野球部の後輩がLA観光に来ていたので、食事をしました。会うのは4年振りくらいですが、お互い野球部時代の面影なく痩せ細った姿に驚いていました。食事はコリアタウンの古びた食堂に行きまして、「ox knee dishes」という聞きなれぬ物を頼みました。味のない麺、味のない牛の膝の筋煮込み、そしてご飯というセットでして、食べ方が分からないのでキムチとスパイスでごまかしました。

 

 彼も銀行員として働いているので、仕事の話題が多かったと思います。同じような苦労をしていたり、全く違う会社の制度が有ったり、面白かったです。また、久しぶりに野球の話が出来ましたし、後輩達の近況も聞けて良かったです。何より、折角の旅行の最中に私と会う時間を設けてくれた事に感謝です。

 

 

 さて、仕事に関してちょっと思う所を綴りたいのですが、かれこれアメリカに来てから2か月ですが、様々な場面でこのテーマについて考えさせられます。一度大企業に入社したものの違うと感じてすぐに辞めて新たな人生を探そうとしている人、同じ会社に5年務めるのすら苦痛なのに、60歳まで一度も転職しないなんてクレイジーだと言うアメリカ人、安全な生活を求めて家族と一緒にアメリカにやってきてUberの運転手として働くアフガニスタン人・・・。彼らの話を聞いていると、働く意味について考えずにはいられません。

 

 特に、私がずっと違和感を感じているのは日本の就職活動とその後の働き方についてです。大学3,4年生になると一斉に就職活動を始め、自己分析や企業訪問を通して自分に合った仕事を選ぶわけです。内定を得ると歓喜し、自分の明るい将来を思い描きながら残りの学生生活を送ります。ところが、そんな彼らの何割かが、入社後僅か数年で会社を去っていきます。そんな若者たちに対して、忍耐力・我慢する力が無いとか、会社への忠誠心がないとかいって批判する人もいるわけです。なぜ若者の多くが入社3年以内に辞めてしまうのかが、社会問題として取り上げられる事すら有ります。

 批判を恐れずに個人的な意見を言うと、早めに今の仕事に見切りをつけて辞めた彼らは非常に行動力があると思います。もちろん、辞めていった全ての若者に当てはまるわけではありませんが。本当はこんな仕事したくないのに、家族の為とか会社の為とか言って言い訳を見つけて、身と精神をすり減らしながら働き続けるよりは賢明ではないか、そう感じるのです。

 

 

 就職活動は、異国で未知の食べ物にチャレンジするのと似ていると思います。これまでの人生で口にしたことが無いメニューがずらっと並んでいて、その中から一番美味しそうな物を選ぶ必要があります。食材から味の見当を付けたり、写真から味を推測したりすることは可能ですが、やはり実際に口に入れてみなければ、本当においしい料理かどうかは分かりません。一品試してみて口に合わなかったら、残して別のものに挑戦すればいいでしょう。いろんな食べ物を口にする事で、自分が好きな物を知る事が出来るのです。

 

 学生時代に(働くという経験もせずに)一生の仕事を選び、しかも退職まで勤め続けなけらばならないというのは、数えきれないほど多くの料理の中から、一発で自分が好きな物を選びだすのと同じようなものです。そんな能力、ほとんどの人に備わっていないでしょう。ましてや、ほとんどの学生はバイトくらいしか働いた経験が無いのですから。働いてみて初めて、自分がその仕事を好きかどうか分かるのです。

 

 中には、たとえ好きな仕事じゃなくても、自分で選んだのだから最後までやり遂げるべきだという人もあるでしょう。そうですね、食べ物位なら我慢して食べきっても明日また新しい食べ物を食べる事が出来るわけですが、仕事に関しては「次の人生」は有りませんから、途中で辞めるのも賢明な選択だと思います。

 

 

 やめようとする人に対して、辞めたら後悔するとか、今よりもつらい事が待っているとか言ってアドバイスをしてくれる人はたくさんいるでしょう。本当に親切心から言ってくれる人もあれば、自由に人生の選択をする人間が羨ましくて、妬みを含んだアドバイスもあるかと思います。

 

 理由はともかく、そのアドバイスに従った結果、良い人生を送る事が出来れば、あなたはその人に感謝するでしょうし、アドバイスした人は「ほら自分が言った通りだろう」と言ってくるかもしれません。

 

 しかし、逆にその人の勧めに従って我慢して仕事を続けて、結果酷い人生を送る事になったとしても、その人があなたの人生に対して何か責任を取ってくれるわけではありません。どんなに親切な人でも、あなたをタイムマシンで過去に戻す事は出来ません。「自分のアドバイスがお前の人生をめちゃくちゃにしてしまった」と誤ってくれる人がどれだけいるでしょうか。そもそも、自分がした人生のアドバイスを、皆どれだけ覚えているのでしょうか。私の場合、よほど深く心に刻まれたもの以外覚えていません。単に私の記憶力が弱いだけかもしれませんが…基本的に人は他人の人生にそこまで関心が無いでしょうし、責任も感じていないと思います。

 

 

 そうであるならば、自分で人生の舵を切っていくほうが良いのではないでしょうか。自分で考えて決断した結果がダメであれば、それはそれで納得がいくでしょうし、またやり直すことも出来ます。

 

 辞めた後の事について自分なりの考えがあるのであれば、途中で自分の人生をリセットするのはとても賢明だと思います。周りの雑音を気にせずに、自分の心に素直に決断し、行動すればいいのではないでしょうか。そして周りの人間は、会社を辞めていく若者に対して、少しポジティブな見方をしてみても良いのでは無いでしょうか。