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池尾和人 『現代の金融入門』 ちくま新書

 本書は新書であり分量はそれほど多くないのですが、金融取引・銀行システム・金融政策からデリバティブまで金融の基礎が一通り書かれていて金融について基礎的な知識をつけるのにとても良い本だと思います。

 

現代の金融入門 [新版] (ちくま新書)

現代の金融入門 [新版] (ちくま新書)

 

 

 入門と言っても、金融をほとんど知らない人が読んで「分かる分かる!」と感じるようなものでは無いです。実際に、私自身銀行に入行した直後この本を読んだはずなのですが、「良く分からん」という印象のみで本の内容を何一つ覚えていませんでした。

 

 さすがに数年間金融の世界に身を置くと、既に知っている項目、別の本などで少しずつ知識を広げていった部分などが目に付くようになり、新たな知識と併せて適度な刺激と共にストレス無く読むことができますね。利率の期間構造、資産価格の算出理論、オプションの理論なんかは別の本を用いて苦労しながら学んでようやく分かるようになってきたのですが、この本でも簡潔に触れられていて、「なんだ、5年も前に既に目にしていた内容なのか」と驚きました。本を読む時点での知識のレベルや問題意識によって脳に入る情報には大きな差があるんだと実感しました。

 

 MBAのクラスのファイナンスの授業で扱う内容は本書よりも難しかったと記憶していますが、東大の経済学部卒の友人はそのファイナンスのクラスについて「全部学部時代に習った内容で、新しい学びが何もない」なんて言ってましたので、大学で金融の授業を取っていた人にとっては、本書の内容は物足りないのかもしれないですね。

 

 

 銀行で業務に携わっていると、こういったマクロな視点での知識には目がいかないと思います。それよりもどうやって顧客の心をつかむかとか、具体的な金融商品について学ぼうとか思います。勿論それはとても大事なんですが、どこかのタイミングで金融全般に及ぶ広範な知識が活きる場がある、と思って読んでます。