UCLA Anderson MBA留学記 

MBAのこと、LA生活や趣味のこと、地元山陰のことetc

アメリカプロ野球独立リーグでプレーする宮寺さんと会食

 長い夏休みがもうすぐ終わります。私費留学の友人たちがこの3か月間しっかりとインターンをしていたことを考えると、私ののんびりした休暇が恥ずかしい位です。この年齢になって100日も休みが貰えるのは中々無い事ですが、MBA留学の醍醐味を経験できないのは悔しくもあります。

 

 今月の初めに、以前書籍の紹介をした大学のゼミの先輩且つ野球部の先輩でもある宮寺さんと運よくLAで会う事ができました。

 

本の紹介はこちらです↓

toshihisa1527.hatenablog.com

 

 簡単に彼の紹介をしておくと、彼は慶応大学の体育会野球部を卒業後、いったんは大手企業に就職するも野球選手としてのプレーの場を求めて退職。アメリカやカナダなどの独立リーグで現在も活躍する方です。

 

 独立リーグはその名の通り大リーグとは独立の組織です。大リーグと比べると人気は劣り、規模も小さい事から、選手たちの待遇は良くありません。月給5万円、活躍できなければ即解雇という厳しい環境に身を置きながらプレーしています。

 

 以前の記事でも書きましたが、どんなに野球を続けたいと思っていても、(世間一般からすれば)安定した大企業の社員という立場を捨てて、厳しい世界に飛び込むことができるというのは、本当にすごい事だと思います。

 

 周りからは間違いなく反対の声が多かったはずですし、周りに同じような経験をした事が無い分、どういう生活になるか不安があったに違いありません。それでも自分が好きな事をやりたいと思い、それを実際に行動に移すことができる、それだけで十分すごいです。ほとんどの人は、あれをやりたいこれをやりたいと言いながら、いざとなると適当な理由をつけて結局行動に移さないでしょうから。

 

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 当日は宮寺さんと、もう一人大学野球部の私の同級生でLAに駐在している友人と三人で食事をしました。話をしている中で、友人が「宮寺さんはすごい。同じアメリカにいるけれど、僕や景山(私)は組織に属していて、ある意味守られた感興で生活している。でも宮寺さんは自分の身一つで勝負している」と珍しく(失礼)良い事を言っていました。

 

 確かにその通りだなと、自分たちは甘い世界に生きているなと思いました。こちらからなにもアクションを起こさなくても、ただ企業に属しているだけで仕事の機会が貰えますし、結果が出なくても一定の給料はもらえます。場合によっては結果が出なくても努力を認めてくれたりしますし、企業が倒産しない限り滅多なことで職を失ったりしません。

 

 独立リーグという場は、企業とかなり対照的です。チームに所属できたからといって当然にプレーする機会が与えられるわけではありませんし、結果が出なければすぐに解雇もあり得ます。そして何より、努力してもそれが結果につながらなければ何も意味がありません。

 

 仕事をしていたり、学校で勉強していたりすると、(少なくとも自分は)それだけで頑張ってるなと思いがちなのですが、そんなことを考えている時点でなんて甘いのだろう、と。自分が頑張ったかどうかなんてどうでもよくて、その結果何を残すことができたのか、それが全てなんですね。

 

 

 もう一つ興味深かったのが、プレーする機会を得る為に選手たちがとる行動でした。宮寺さんは、チームに雇ってもらうためにアポ無しで球場に出向きチームの幹部と交渉、その行動力を買われて雇ってもらったと事があるとの事でした。結果的に一打席代打で出場しただけで解雇されたとの事ですが、現地に赴いて交渉したりするところに行動力、精神的タフさを感じました。

 

 また、別の選手はトライアウトを受けるには球団関係者の紹介が無ければいけないという決まりがあったにもかかわらず、「そんなの関係ない」といって球団と交渉し、その心意気を買われてトライアウトに参加させてもらったという事でした。

 

 こういった交渉力というか、行動力というか、そういったものは日本以外から来たMBA学生の行動に似ているなと思いました。彼らは、自分たちに都合が悪いことがあれば、すぐに学校側や教授たちと交渉します。例えば、先学期の授業の期末試験とインターンの開始がオーバーラッピングした際は、教授との交渉で試験日を前倒ししたり、別の形で課題するという事で自分の都合に合うように調整していました。また、必修科目の履修の順番がおかしいと感じた際には、学校側に意見を提出し、それをふまえて学校側が生徒へのアンケートを実施。結果、今年から履修の順番が変わったはずです。

 

 彼らは、ルールはあらかじめ決められたものでは無く、自分たちの行動によって十分に変えられるものだと捉えているはずです。だから、自分に都合が悪ければ当然交渉する。なんとなくですが、日本人はルールは与えられるものだと思っていて、それに従うべきと捉えているのではないかと思います。

 

 だから、例えばオリンピックで日本のお家芸と言われていた種目のルールが変わって日本人選手に不利になった時に、日本人はルールの変更に不満を漏らしながらもそのルールに従います。でも、勝てない。一方ルールを変えた側の海外選手たちは、自分たちが有利に試合を進める為にルールの変更を求めるのは当然の事、ルールを変更する事も戦略の一つ、と捉えているのではないでしょうか。

 

 就職や転職活動をしていて、自分が企業の募集要件に合わなければ「ああ、そうですか」といって諦めてしまう人が大半だと思います。学校の決まりがあれば素直にそれに従い、会社の規則があればまたそれに素直に従う。だから、時には「それおかしくないか?」、「それだと都合が悪いから変えてくれないか?」と一歩踏み出して交渉するとも大事なのだと、改めて思いました。いつも自分の思い通りに物事が進むわけは無いですが、少なくとも自分がそれじゃ都合が悪い、おかしいと思った時に行動に移せる、そういった力は必要なのかなと。

 

 

 宮寺さんは、来年も独立リーグでのプレーを求めてアメリカに来るそうです。是非一度試合を観に行きたいです。