UCLA Anderson MBA留学記 

MBAのこと、LA生活や趣味のこと、地元山陰のことetc

証券アナリストに独学で合格できたので、テキストと勉強方法についてまとめます

少し前になりますが、証券アナリストという試験に合格したので私の勉強方法や使用したテキストについてまとめて置きたいと思います。

 

 

この試験を受けたいと思う人は少数化と思いますが、誰かの参考になれば幸いです。

 

そもそも証券アナリストとは

証券アナリスト(CMA)は、法律で定められたものでは無く、民間の機関(証券アナリスト協会)が定めた称号です。協会のホームページには、

 

“証券投資の分野において、高度の専門知識と分析技術を応用し、各種情報の分析と投資価値の評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナル”

 

とあります。

 

この試験に合格したからといってプロフェッショナルになれるとは到底思えませんが、まあ少なからず知識は身につきます。

 

社会人の受験者が多いようですが、正直なところ社会人になってまで受ける必要が有るのかなという印象ですね。

 

なんとなく難しそうな試験だったので受けてみたのですが、MBAの授業で証券分析に携わった学生達と共に勉強してみて、やはり実務に勝るものは無いと思いました。

 

金融機関への就職を希望する学生が在学中に取得しておくといいアピールになるかとは思います。

 

まあ、昨今の金融業界の動態をみて、なおこの世界に足を踏み入れたいと思う学生がいるのかどうか分かりませんが。

 

社会人であれば、こんな資格を取るよりも実際にアナリスト業務に携わった方が遥かに効率よく知識を得られるのではないかと思います。

 

社会人の私が取得しておいてこんなことを言うのも変な話ですが。

 

国際的にはCFAという同じような資格の方が評価されています。というか、CMAは日本でしか通用しません。

 

CFAは内容は同じような感じらしいですが、試験自体が英語なので日本人にとっては難易度が高くなると思います。

試験概要

試験は1次と2次に分かれています。原則誰でも受験可能ですが、受験の為には協会が提供する講座を受講しなければなりません。

 

1次は経済、財務分析、証券分析の3科目があります。すべて4択問題です。経済と財務分析は試験時間90分、証券分析は180分です。

 

3科目全てに合格すると2次試験の為の受講が可能となります。

 

2次試験は科目等はありません。ほぼ記述式です。試験は午前と午後の部があり、時間は合計で7時間です。

 

1次試験は年に2回(春、秋)、2次試験は年に1回(春)行われます。

 

1次試験、2次試験共に受講を開始した年の翌年から3年間受験できますので、1次試験は1科目につき計6回、2次試験は3回まで受験できます。

 

1次試験の経済・財務分析は100点満点、証券分析は180点満点、2次試験は420点満点です。

 

合格点は定められておらず、他の受験者との相対的な評価で

 

期間内に合格できなければ、もう一度受講しなおすことになります。

 

2次試験に合格しても自然とCMA会員になれるわけでは無く、実務経験を積む必要が有ります。会計士と似ています。

難易度

協会のホームページに過去の試験のデータが載っています。1次、2次ともに合格率は50%前後と結構高いです。なので、しっかり勉強すれば十分合格できる試験だと思います。

 

合格に必要な勉強時間については、かなり個人差があるのではないでしょうか?

 

経済学を学んだことがある、簿記等を学んだことがある、証券分析に携わったことがあるという人は、かなりアドバンテージがあるはずです。

 

参考までに、私の受験結果をすべて掲載しておきます。

 

1次試験:

f:id:toshihisa1527:20171029170954p:plain

2次試験:

f:id:toshihisa1527:20171029171024p:plain

結構不合格になりました。初めての1次試験はほぼ勉強せずに臨みました。

 

どうにかなるんじゃないかと楽観的でしたが、どうにもなりませんでした。

 

1次試験は選択式なので、しっかりと勉強すれば比較的簡単に合格できると思います。引っかかると言えば、数学が苦手な人が微分統計学を理解するのに壁があるというところでしょうか?

 

2次試験は3度目でようやく合格出来ました。

 

1度目の受験は明らかな勉強不足でした。MBA受験の為に英語の勉強に力を入れており、勉強時間自体余り取れなかったと思います。英語の勉強の合間の気晴らしになるかと思っていましたが、意識が分散してしまって逆効果でした。

 

2度目の受験は配点比率が大きい証券分析の知識が不十分だったと思います。もともと数学が苦手だったので、もっとしっかりと基礎を固めておくべきでした。

 

渡米直前で遊び惚けていたのも要因ですが、まああれはあれでよかったと思います。

 

基本的な勉強方法

1次、2次ともに過去問を繰り返しやる、というのが基本になります。

 

というか、それ以外やることは無いです。

 

講座を受講すると大変分量が多いテキストやDVDが送られてきますが、それらは一度も目を通さなくて大丈夫です。

 

しっかり読めばそれなりに勉強になるかも知れませんが、全く面白くなく、催眠術をかけられているかのようなテキストでした。

 

出題される内容はこれまで大きく変わっていないようですので、過去問を何度も解いて答えがすっと出てくるようになれば大丈夫でしょう。

 

1次試験:経済

経済の試験はマクロ、ミクロ経済に加えて金融財政の知識、国際経済の知識が問われます。

 

たぶん大学で経済学を学んでいれば当たり前の事ばかりなのでしょうが、私は全く縁が無かったので、基礎からやる必要が有りました。

 

経済学の分厚いテキストを何冊かかってみたのですが、これまた非常にな紙が詰まらなかったのですぐに読むのをやめました。

 

代わりに、小暮太一さんの本で基礎を学びました。かみ砕いた表現で、全くの素人にも分かりやすく書いてあってよかったです。

落ちこぼれでもわかるマクロ経済学の本―初心者のための入門書の入門

落ちこぼれでもわかるマクロ経済学の本―初心者のための入門書の入門

 
落ちこぼれでもわかるミクロ経済学の本―初心者のための入門書の入門

落ちこぼれでもわかるミクロ経済学の本―初心者のための入門書の入門

 
今までで一番やさしい経済の教科書[最新版]

今までで一番やさしい経済の教科書[最新版]

 

 

これらの本を読み、後は過去問を繰り返し解くだけ。それだけで大丈夫でした。

 

1次試験:財務

財務分析では会計全般に関する知識、財務分析の際の各指標の計算方法などの知識が問われます。

 

私は大学卒業前に簿記2級の試験を受けたので、その知識が結構活きたと思います。簿記2級の範囲外の知識も問われますが、基礎がある程度わかっていれば、新しい分野も頭に入りやすいです。

 

勉強時間に余裕があるのであれば、簿記の勉強からやってみるべきかもしれません。

 

私はひたすら過去問を繰り返し解きました。時々知らない指標や会計のルールが出てきましたので、それらはネットで調べながら勉強しました。

 

 会計の基礎的な知識をつけるうえで分かりやすいと思ったのは、次の本です。

カラー版 会計のことが面白いほどわかる本<会計の基本の基本編>
 

 本当の基礎の基礎という感じですが、簿記を取った後でもなるほどと思うところがあり良かったです。

 

会計は少しずつルールが変わっていますので、最新の制度を反映した本を買って勉強するべきです。

 

1次試験:証券

 一番大変だったのは証券分析です。高校以来数学に触れる事が無かったので、知識もほとんど失われていました。

 

証券分析では微分や統計の知識が問われます。数学を理解していないと過去問をやっても全くちんぷんかんぷんなので、私は以下の2冊を用いて数学の基礎をざっとおさらいしました。

証券アナリストのための数学再入門

証券アナリストのための数学再入門

 
証券アナリストのための数学入門

証券アナリストのための数学入門

 

 初めは理解に苦しむところもありますが、本を何周か繰り返し廻して問題を解けば、基礎的な数学の知識は十分かと思います。

 

数学が分かってきたら、他の科目と同じように過去問を繰り返し解くだけです。

 

2次試験

 2次試験は科目がありませんが、1次試験の財務分析、経済、証券分析の内容が全て出題されます。

 

また、職業倫理・行為基準という協会が定めた基準の内容について問う問題があります。配点は60点で、こちらは足きりがあります。

 

出題内容は毎年同じ感じで、覚える事も大して多くありませんので、確実に満点近く取れるようにしたいところです。

 

試験直前にまとまった時間を設けて勉強すれば、問題なく得点できるはずです。

 

その他の配点は証券分析210点、財務分析90点、経済60点といった感じです。証券分析の配点が圧倒的に大きいので、こちらである程度得点できるようにしたいところです。

 

ただ、

 

協会から過去問とその解答例が送られてくるのですが、これは解説が無くあまり役に立ちません。

 

どういった理由でこの回答になったのか、これを理解するのが大事です。

 

私はTACが出版している過去問題集を用いました。解説が非常に丁寧で使いやすいです。

証券アナリスト 2次試験過去問題集 2017年試験対策

証券アナリスト 2次試験過去問題集 2017年試験対策

 

本の中で「奇問」として扱われているものは無視しました。理解に時間がかかりますし、理解したところで同様の問題が今後出る事も無いだろうと思ったからです。

 

あくまで合格が目的なので、時間の無駄になりそうなところは省くというスタンスで勉強に臨みました。

 

また、証券分析については追加で解説が欲しい分野がありましたので、以下の本も用意して、時々参照しました。

証券アナリスト 2次対策総まとめテキスト 証券分析 2017年試験対策

証券アナリスト 2次対策総まとめテキスト 証券分析 2017年試験対策

 

過去問題集は3周位したと思います。記述式ですので、回答を覚えるというよりは、回答の背景にある理屈を覚える意識で解きました。

 

勉強するにあたっての心構え

 試験自体はそれほど難しくありません。

 

しかしながら、試験がカバーする範囲はとても広いのですべて覚えようとするのは困難です。

 

目的は試験に合格する事で、大体6割ほど得点すれば合格すると言われています。

 

ですから、合格できればOKと開き直って需要な部分に絞って勉強すべきです。完璧主義に陥ると多大な時間を無駄にします。

 

全ての範囲をカバーして、知識を完全にしたうえで受験したいと思う気持ちは分かりますが、そこはぐっとこらえて効率を意識するべきたと思います。

 

試験当日の心構え

1次試験は4択ですので、時間が足りなくなるようなことは無いと思います。たとえ足りなくても一応すべてにマークしてください。運でも得点できれば合格に近づけます。

 

2次試験は7時間と非常に長いですが、正直なところそれでも時間が足りません。

 

また、毎回必ず重箱の隅をつつくような怪奇な問題が出題されます。これらは対策しようと思っても難しく、むしろ時間の無駄になるので端から無視して構わないと思います。

 

取れる問題を確実に取る、これが大事です。

 

また、分からない問題でもとにかく何か書くという癖をつけておくのも大事です。

 

記述式ですから、全くの見当違いでない限りは何か書いていれば部分点が貰えると思います。少々分からなくてもいいから、極力解答用紙を埋めるようにしてください。

 

 

 

以上、長くなりましたが私の証券アナリスト試験の振り返りです。

 

今後のキャリアに直接つながる感じでもないので、今のところは会員にならない予定です。

 

統計を学ぶ事ができたというのと、会計と経済の基礎的なところを学べたというのが収穫ですかね。