UCLA Anderson MBA留学記 

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Wealthfront アメリカのロボアドバイザー投資サービス

職業柄か、どうしても金融関係のサービスに目が留まります。

 

フィンテックという言葉が広まってもう何年にもなります。FinanceとTechnologyが組み合わさった造語で、いわゆるITを駆使した金融サービスを指します。

 

一言フィンテックと言っても、その送金、決済、セキュリティ、資産運用、認証サービス等々その内容は多岐にわたります。

 

今回は資産運用のカテゴリーでアメリカでかなり成長したフィンテックの企業を紹介します。

 

Wealthfrontというロボアドバイザーを用いて資産運用サービスを提供する企業です。

 

個人の運用目標やリスク許容度に応じて、個々人にあった運用内容を提示して資産運用を援助するものです。

www.wealthfront.com

2011年に創業、今では10万人を超える利用者がいて運用資産は50億ドル(5,600億円)となっています。もっとも拡大したロボアドバイザーサービスの一つです。

 

実際にサイトに飛んでもらってやってみると良く分かると思いますが、いくつかの質問に答えると自分に合った運用モデルが提示され、それに従って資産を運用するのみという至ってシンプルなものです。

 

私も質問項目に応えてみました。すると、アメリカ株35%、海外株15%・・・といった感じで、自分の資産を振り分けるように提案されます。

 

$500から運用を開始する事ができ、運用手数料は$15,000まで無料です。それ以上の投資金には年0.25%の手数料がかかります。手数料は業界平均の4分の1程度となっています。

 

今回は計算までしませんが、この手数料は運用成果に大きく影響を与えます。単年で見ると1,2%位の手数料は大したことが無いと感じられますが、10年、20年と運用し続ける事を考えると、その影響は大きいです。

 

投資をするのであれば、手数料についてしっかりと考えなければなりません。手数料を考慮しないものが投資に成功することは無い、と言われるくらいです。

 

とりわけパッシブ運用には運用内容にほとんど差が無いので、手数料率が運用成果を決めると言ってもいいでしょう。

 

 

運用手法は「パッシブ運用」と呼ばれるもので、運用目標とされるベンチマーク(日本なら日経平均TOPIX、アメリカならNASDAQなど)に運用成果を連動させるようにポートフォリオを構築します。

 

ベンチマークを上回る成果を目指すものはアクティブ運用と呼ばれます。

 

パッシブ運用の目標は「ベンチマークのリスクとリターンを再現する事」であり、投資戦略を練ったり投資対象を選定したりといった手続きが不要なので、運用にかかるコストを抑えられるのが特徴です。

 

「アクティブ運用でベンチマークを上回る成果を上げられるならば、そちらの方が良いじゃないか」

 

と思う方もいるかと思いますが、過去のデータを見ると、そうもいかないようです。

 

企業サイトによれば、過去3年間の運用成績を調べたところ、アメリカでアクティブ運用するファンドの実に93%が、アメリカの株式INDEXのひとつS&P1,500を下回る成績だったとの事です。

 

もちろん少数ではあれ、インデックスを超えるファンドもあるわけですが、どのファンドがインデックスを超える運用成績を収める事ができるのか、それを事前に知ることはとても困難です。

 

といった具合で、いまだに論争はありますがパッシブ運用には根強い支持者がいます。

 

 

このWealthfrontという企業の特徴として、バートン・マルキールという著名人をCIO(Cheif Investment Officer)に据えているという事が挙げられます。

 

この人物は『ウォール街のランダムウォーカー』という本がアメリカでベストセラーになった事で有名です。

 

 

 おそらく、投資に興味を持ったことがある人なら名前くらい聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

この本こそがパッシブ運用を世間に広めるきっかけになったと言っても過言ではないでしょう。全米で150万部を超える部数を誇り、日本語にも翻訳され多くの人に読まれています。

 

彼がWealthfrontでどんな役割を果たしているのか定かではありませんが、おそらくマーケティング効果を見込んでのものかと思います。まあ、創業から6年ほどでこれだけのユーザーを集めていますし、彼を巻き込んだ効果もそれなりにあるのでしょう。

 

今はまだ店頭販売などを利用する顧客が多いですが、消費者の金融リテラシーが高まっていけば、手数料率が圧倒的に低いこういったロボアドバイザーを擁するサービスがますます普及していくものと思います。