UCLAでMBA取った銀行員のその後 

MBA取得に至るまでの記録を残しています。今はマーケティング中心に綴っています。

読書感想 佐藤航陽著 『お金2.0』 幻冬舎

不思議なもので、忙しい時ほど本を読みたくなるものです。

 

期末試験が近づいているのですが、本が面白すぎて勉強どころじゃないです。

 

この現象に名前は無いのでしょうか?誰か知っていたら教えてほしいものです。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

 先月発売されたばかりの書籍です。

 

以前佐藤航陽さんの本を読んだことがあって、それが面白かったので著者名だけ見て買ってしまいました。

 

 

この本は題名にある通り「お金」、そして「経済」のあり方が大きく変わったと主張していまして、その原因からこれからの生き方に至るまで解説してあるものです。

 

 

本の内容

 

ざっくり私なりにまとめると、

 

これまでは「資本主義」によって経済が回っていましたが、「お金」という本来価値の尺度・交換の手段でしかなかったものが目的化してしまって、実態と離れたところで独り歩きするようになりました。

 

度々起こる金融危機リーマンショックとか)のように、一般の人々が良く分からないところで起こる出来事が、人々の生活に大きな影響を及ぼすようになったのです。

 

まるでお金を増やす事だけに意味があるかのような経済の動きに疑問を抱く人が出てきました。

 

また、生活が豊かになる中で人々は生物的・物質的欲求(衣食住とか、高級なものを手に入れたいとか)よりも社会的欲求(他者から承認されたい、自分のやりがいを大切にしたいなど)を重視するようになりました。

 

一方世界中では金余りの状態が続いており、企業が資金を集めるのはとても容易になりました。

 

結果、お金の価値が下がる一方で、増やすことが困難な信頼、時間、個性といったお金では手に入らないものの価値が相対的に上がってきました。

 

こうしたことなどから、資本主義では現代の経済を上手くとらえる事ができなくなりました。

 

筆者は資本経済に変わる新たなあり方として、「価値経済」というものを提唱しています。

 

価値にはいくつか意味があって、

  1. 有用性としての価値(役に立つか。資本、p金に転換できるものを前提とする)
  2. 内面的な価値(愛情、共感、興奮、信頼など。個人の内面にプラスの効果がある時に価値がある)
  3. 社会的な価値(社会全体の持続性を高める)

の3つが紹介されています。

 

資本経済では1の有用性のみを価値としてとらえていました。しかしながら、前述のように今は2や3の価値の重要性が高まっているのです。

 

価値経済においては、この内面的・社会的価値を高める事が重要になります。信頼や共感を得られる人物になれば、その価値をお金に変える事は難しくない

 

ですから、これからは「いかにして内面的、社会的価値を創出する事ができるか」、これが重要になってくるのです。

 

ITの進化、普及によって、一個人でも一瞬で世界中から共感や信頼を得る事が可能になりました。これからは、自分の情熱や興味と向き合いながら価値を育てていき、それを軸に自分で経済圏を作ることが求められるのです。

 

とまあこんな感じだったかと思います。

 

 

感じた事

 

従来の枠組みでは現在の経済を捉えられない。これは確かにそうだな、と納得する経験があります。

 

私は仕事柄というのもあって会計やファイナンスにきょうみがありまして、MBAのプログラムでもそれらの科目に関する授業を積極的に履修しています。

 

ファイナンスでは企業買収の際に企業価値(会社の値段)を算出しますし、会計ではバランスシート(貸借対照表)に企業の資産や負債をすべてお金に直して計上します。

 

しかしながら、今は「お金」というものに換算できない価値が多すぎます。

 

本の中ではインスタグラムがフェイスブックに買収された出来事が取り上げられていました。社員13人、売上ゼロの企業が800億円で買収されたというものです。

 

現在のファイナンスや会計においては、この買収を満足に説明する事が出来ません(強引にこじつけていく事は可能かもしれませんが)。

 

以前Venmoという携帯のアプリケーションで個人同士の送金ができるサービスを紹介しましたが、このVenmoも2,610万ドルという金額で買収されました。このVenmoは未だにお金を儲ける事ができていません。

 

こういった議論を呼ぶ企業買収のニュース難化を聞くと、お金ではっきりと割り出すことができないものが現代のビジネスでは重要になっている事を実感します。

 

 

また、少し前から「これからは個人の力がますます発揮しやすい世界になっていく」、「世界は絶大な影響力を持つ大きな組織と、それなりの影響力を持つ個人または小規模組織に2極化されていく」という思いを抱いておりまして、どうすれば私自身の価値を高めていけるだろうか、という事をずっと考えています。

 

どんな大企業に勤めていても、今後その会社がそのままの形であるとは考えにくいです。むしろ昨今の大企業のスキャンダルを見ていると、大抵の企業は何かしらの試練に遭遇するのだろうと思います。

 

でも、企業がこれからどうなるかなんて、なかなか個人単位で解決できるものではありません。だったら、「個人」の方をどうにかしよう。大きな組織は変えられなくても、自分一人くらいなら変えられる。そう思いました。

 

実は同じような事を大学卒業前にも考えていました。「有名企業に入るのは良いが、たぶん自分の性格だとそこで満足してダラダラと人生を過ごしてしまう。たぶん周りからの評価も高いだろうが、それに満足して努力しなくなる。だったら小さい企業でもいいから少し危機感を持って生きられる場所を選んで頑張らないといけない環境に身を置いた方が良い」

 

そんなことも理由の一つで、地元の企業を選んだ記憶があります。6年も前の事なので、美化されてしまっているかもしれません。

 

まあ、結局地元に戻ってもダラダラと生きてしまうくらい自分に甘かったわけですが。UCLAMBAコースに入学した時に、周りの同年代の学生との力の差に意気消沈してしまいました。

 

遅すぎる位ですが、今ようやく自分の価値を高める為の行動を取っています。数か月、1年とかで形になるとは思えませんが、それでも5年・10年というスパンで見たときに、自分の価値が上がっていると感じられればいいと思っています。

 

『お金2.0』は、自分の将来についても思考を巡らせてくれるとても面白い本でした。