UCLAでMBA取った銀行員のその後 

MBA取得に至るまでの記録を残しています。今はマーケティング中心に綴っています。

読書感想 『銀行員大失業時代』 森本紀行著 小学館新書

MBAプログラム最後のクウォーターが始まりました。

 

今期は卒業プロジェクトも終わってかなり余裕があるので、金融の未来についてじっくり考える期間にしようと思います。

銀行員大失業時代 (小学館新書)

 という事で金融関連の書籍をいくつか購入して、時間がある時に読んでいます。

 

今回はその中の1冊を。

 

銀行員大失業時代 (小学館新書)

銀行員大失業時代 (小学館新書)

 

 

この本は金融関連の企業よりもそこに従事する個々人に光をあてて書かれています。

 

今後銀行員の多くは必要なくなり金融業界で働く人は減少すると予想した上で、どういった人間が金融業界で生き残るのか、その他の人々はどうやって生きていくのか?という事が問われています。

 

金融業界に残るのであれば顧客本位を貫いて、顧客と銀行の情報の非対称性を解消して付加価値を付けていける人間にならないといけないと言っています。

 

金融業界を去る人間に対しての具体的なアドバイスはありませんが、別途付加価値を付けて社会に貢献できる場所を見つけるべき、といっていますね。

 

 

私としては、顧客本位という部分に今の銀行が抱える難しさがあると思っています。

 

金融業界にある程度従事していた人間は、どうしても内部からの視点を消し去ることができないと思います。言い換えれば、「どうすれば今の銀行を改善していく事ができるだろうか?」という視点で金融の未来を考えてしまうという事です。

 

今の銀行をどう変えていこうかという視点からスタートするとどうしても銀行都合の思考が抜けきらず、100%顧客本位の考え方は出来ない、そう思います。

 

銀行を利用する側としては、必要ないのであればわざわざ銀行を使いたくないと思っている人が多いのではないでしょうか?

 

例えば、個々人が欲しいのはマイホームであったり車であったり。企業が欲しいのはビジネスを拡大させるための資金であったりコネクションであったりするわけです。彼らの目的はそういったものであって、「銀行を利用する」という事ではありません。

 

もしも銀行に行かずにマイホームやビジネスの為の資金が手に入るのであれば、当然彼らは銀行なんて利用しないでしょう。

 

要は、「顧客が欲しているものは何か?」という視点から始めないと、本当に顧客が欲しているものを提供できるようになるはずがないという事です。

 

今躍進している中国のアリババやアメリカのPayPalは、完全に顧客目線からスタートした企業です。元々顧客として銀行のサービスに不満があり、それを改善するために金融の世界に勝負を挑んできたわけです。だからこそ顧客が求めるものを提供できているという考え方ができるかと。

 

 

完全な想像ですが、車が発明された時にもそんなことが起きていたのではないかと思ったりしてます。

 

馬車は銀行で、馬車を運転するのは銀行で働く人たちだと考えてください。で、車ってのはアリババやPayPalに代表されるフィンテック企業です。

 

おそらく馬車の運転手達は、「もっといいタイヤを使えば乗り心地が良くなるんじゃないか?」とか、「もっと良い馬を使えばスピードが上がるんじゃないか?」くらいのことは考えていたかもしれません?

 

でも、馬車を利用する人達が求めていたのはそんな事では無くて、目的地まで早く移動できる手段であったのではないでしょうか。そうであれば、目的地まで早く行く事ができるのであれば、馬車だろうと何だろうと構わないわけです。

 

そんなことを考える馬車の乗客の一人が、もっと早く目的地に着くという本来の目的を考え抜いたうえで、「車の方が良いじゃん」って思ったのかもしれません。

 

 

スマホで誰もが繋がれる時代です。国境を越えてどんな企業でもサービスを届けられる時代です。

 

どうやってライバル銀行よりもシェアを伸ばそうかとか、どうやって利益を確保していこうかなんて考えてる間に、サクッと得体のしれないサービスに顧客をごっそり持っていかれるんじゃないか、そう思うこの頃です。