UCLAでMBA取った銀行員のその後 

MBA取得に至るまでの記録を残しています。今はマーケティング中心に綴っています。

読書感想 『あしたのための「銀行学」入門』 大庫直樹著 PHPビジネス新書

 

あしたのための「銀行学」入門 (PHPビジネス新書)

 

 

あしたのための「銀行学」入門 (PHPビジネス新書)

あしたのための「銀行学」入門 (PHPビジネス新書)

 

 

この本は、去年読んだ『地域金融のあしたの探り方』という書籍と同じ著者のものです。前回読んだ本が地方銀行の現状を知る上で大変参考になったので、彼の本をもう一冊読んでみる事にしたわけです。

 

toshihisa1527.hatenablog.com

 今回読んだ本は2009年に出版されたものなんですが、9年も前の本になるとさすがに時代を感じますね。もはや2~3年たつと産業を取り巻く環境がガラッと変わるんだなと。まだフィンテックなんて言葉も流行って無いですし、アリババやPayPalも出てこない。

 

それでも、本書の中で参考になる部分はありました。

 

1つはALMというしくみについてです。預金と貸出の長短金利差を利用して利益を得る仕組みの事なんですが、実はあまり理解しないままここまで銀行員をやっていました。

 

もう1つは、日本の銀行の収益性についての著者の意見ですね。日米英の参加国に資産1兆円規模の銀行があったとしたら、その銀行の収益性はどのようになるか比較しています。その中で

 

  • 日本の銀行の内部コスト(人件費、不動産費用、システム費用)はアメリカ・イギリスの銀行と比べて圧倒的に低い
  • 一方で運用や融資によって収入を得るという点に関しては、日本の銀行は下手

 

と指摘をした上で、日本の銀行の収益性向上の為には金利を上げていく事が必要になる、金利を上げていく事は可能であると述べています。しかしながら2016年に出版されたもう一つの著書『地域金融のあしたの探り方』では、

 

預貸で儲ける銀行モデルの終焉をつくづく感じざるをえない。財務上はストックベースで利益が生まれてくるから、まだなんとか利益を出している ようにみえる。しかし、約定ベースでみてしまえば、ゲームオーバーである。もはや、地域 銀行は新しい経営モデルを探さなければいけない時を 迎えている。

 

と述べています。お金を集めて貸し出すというかつてのビジネスモデルはもはや機能しなくなっているんですね。

 

最近出版された銀行関連の書籍の多くでは、地方銀行としてどのように生き残っていくべきかが論じられています。ただ、私としてはそもそも地理的な境界で区切ってビジネスを考えるという発想自体が今の環境にそぐわないのではないかと感じています。

 

今は日本はおろか地球上ほとんどの国の人々とインターネット1つ、スマホ1つで簡単につながれるわけです。ゲームのルール自体が根本から変わってきているわけです。

 

 

ちょっとまとまりが無い文章になりましたが、銀行一つ考えるにしても視点をガラッと変えて考えていかないといけない、“過去を踏まえた上で”なんて悠長なことを言ってる場合じゃないなと思った次第です。