田舎の銀行員日記

MBA日記→ランニングとお酒の日記です。役に立ちそうなことは書きません。

読書感想 尾原和啓著 『モチベーション革命』 幻冬舎 

  また面白い本を読んだので、ちょっと感想を書いておこうと思います。

この本は、今の30代以下の世代を「乾けない世代」、それ以上(特に団塊以上)の世代を「乾いた世代」と 区別するところから始まります。

 

乾いた世代は無いものが多い時代を生きてきたため、「お金を稼ぐ」、「デカい家を建てる」、「いい車を買う」といったように、無いものを如何に埋めるかがモチベーションでした。

 

それに対して、私のような30代以下の世代は生まれたころから何もかもが揃っていたのでモノや地位がモチベーションにならない、埋めるべきものが無いのです。

 

心理学者マーティン・セリグマンによると、人間の欲望は

  • 達成
  • 快楽
  • 意味合い
  • 良好な人間関係
  • 没頭

の5つからなるそうで、乾いた世代は達成と快楽を、乾けない世代は残りの3つを重視しているという事です。

 

この説明を聞いた時に、ここ数年間自分の中でもやもやしていたものがすっと腑に落ちました。

 

正直なところ、私は良い車が欲しいとか、広い家を建てたいとかいう思いが全くありません。同世代の友人ではそういうものをモチベーションにしている人がいますが、全く共感できなかったんです。

 

もちろんいい服を買ったりした時はうれしいですが、その喜びってすぐに消えてしまうんですよね。一瞬です。

 

その一方で、誰かの役に立つことができたり、貢献していると感じられるときの喜びは大きいです。こういった事を生業に出来ると人生がより素晴らしいものになるのだろうと思います。

 

ミニマリストが話題になったように、今の若い世代の人たちの欲に変化があるという事は以前から言われている事ですし、自分自身もなんとなく理解しているつもりでした。でもあくまでも“つもり”だったんだなと改めて思いました。

 

「無いものを埋める」、「無いものが無い」という表現によって、私の中の分かったつもりが明確な理解へと変わりました。

 

 

また、今のような変化が多い時代を生き抜くためには3つの選択肢があると著者は述べています。

  1. 変化していく事をチャンスととらえて、最先端を走り続ける生き方。
  2. 宮大工のように、伝統食の中でコツコツと働く生き方。
  3. 永遠のフリーターを楽しむ生き方。

3の生き方は、現状リスクが大きくあまり現実出来では無いとして(2については具体的説明はありませんが、絶対数が1よりも少ないためにこの生き方を選択するのは少数だという事だと思います)、多くの人は1の生き方を選ぶことになるようです。

 

で、1の生き方をしていく上では

一見非効率に見える人間の好きを突き詰めて、その好きに共感する人が「ありがとう」とお金をはらってくれる“偏愛・嗜好性の循環”こそが残っていく。自分の好きが無い人間は価値を生み出しにくくなる。個人として如何に自分の好きを見つけ人生の幸せへと結び付けていくか。

 これが重要になると。

 

この本と同時に佐藤航陽さんの本を読んでいまして、この好きを突き詰めるという生き方については『お金2.0』を読むことでさらに理解が深まります。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

 こちらも面白い本だったので、後日感想を書きます。

 

また、他者からの共感を得る事の重要性については、

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

 

 この本が非常に参考になります。10年以上も前の本ですが、これからの時代を生きていく上で重要になる要素を既に捉えているところがすごいですね。

 

 

話を戻します。好きを突き詰めて幸せを手に入れる為には「生きがい」を見つける必要が有り、

  • 自分が好きな事
  • 自分が得意な事
  • 世界が必要としている事
  • 誰かからお金を貰える事

この4つが重なり合うところが自分の「生きがい」となると説明されています。

 

どうやってそれを見つけるか、というところまでは本の中で言及されていません。正直なところ、これに当てはまる生きがいを見つける事ができる人は少数なのかなと思います。

 

そうすると、多くの人は生きがいと言えるほどのものを見つけられないまま生きていかなければなりません。なので、ある意味モチベーションが無い中でも淡々と継続できる力が必要なのだと思います。

 

やる気があるに越したことは無いのですが、今働いている人の中でやる気に満ち溢れている人がどれだけいるかと考えると、おそらく半々、若しくは少数になるんじゃないかと思います。

 

やりたくないけれど、どうしてもやらなきゃいけない事もあります。そういう時にモチベーションに頼らずに淡々とやるべきことができる、

 

その上で興味がある事にどんどん手を出して、これだと思える自分の好きを発見していくための機会を設ける事が大事なんだと思います。

 

 

最後に、本書の中に以下のような説明がありました。

自分が依存する先が一ヶ所しかないと、その一ヶ所がつぶれたときに路頭に迷う事になってしまう。変化する時代を自由に、自律して生きていく事は何にも依存しない事ではありません。むしろ依存先を一ヶ所に絞らず、複数持つことが大事です。

 

 先日橘玲さんの本を紹介したのですが、自由について「何かに依存している人生は自由ではない」と書いてあったのを思い出しました。

 

toshihisa1527.hatenablog.com

「 専業主婦は金銭的に夫に依存している為自由とは言えない。経済的に自立する事で自由を手に入れられる。」そうあったのですが、より正確には依存先を増やしていく事が自由への道なのだなと。

 

働いても勤務先の企業に依存しているわけですが、それでも依存先は配偶者のみから2つに増えます。こうやって少しずつ依存先を分散する事が自由につながっていくんですね。

 

 

 

最近「好きな事を仕事にすれば幸せになれる」といった趣旨の主張をする書籍をよく読みます。もしかしたら、無意識のうちにそういった本を選んでいるのかもしれませんが。

 

ただ、無いものを埋めていればよかった時代から、何でもある時代へと変化した今、この「好き」という形にならないものが時代を生き抜くキーワードになる、そう感じるこの頃です。