田舎の銀行員日記

MBA日記→ランニングとお酒の日記です。役に立ちそうなことは書きません。

読書感想 大前研一、柳井正著 『この国を出よ』小学館

アメリカに滞在できるのも、気付けばあとわずか半年です。

 

ビジネススクールに来ているわけですが、やはりあくまでも学生の身分です。ビジネスマンとしてもアメリカを経験してみたいと思いますね。

 

今回は大学生の頃に読んでいた本をもう一度読み直してみました。

 

この国を出よ

 

この国を出よ

この国を出よ

 

以前も書いたかもしれませんが、私は中学生の頃から海外に出てみたいと思っていました。

 

海外に興味を持ったきっかけは今考えなおすと恥ずかしいくらいですが、映画『ハリー・ポッター』にハーマイオニー役で出演していたエマ・ワトソンが好きで、「海外に行けばこんな人と出会える!」といういかにも中学生らしい素朴なものでした。

 

初めて海外に行ったのは大学生になってからと、かなり間が空きました。エマ・ワトソンの事はすっかり頭から抜けていましたが、何年間も海外への思いを抱き続けて英語の勉強だけはしていたと記憶しています。

 

初の海外はヨーロッパへの一人旅でした。もちろんこれまで映像や写真でしか見たことが無い景色を肉眼で見れたことの喜びは多きかったです。

 

ただ、同時に「短期間の旅行ではなく、年単位で住んでみなければ本当に海外を経験した事にはならない」とも思いました。

 

旅行だと旅先の良い部分に目が行きがちです。もちろん楽しむのが目的で行くのですからそれでいいのですが、私は「悪い部分」も含めて海外の事を経験してみたかったのです。良いところも悪いとこもひっくるめて一つの文化なのですから、文化を理解する為にはやはり長期間滞在しないといけない、そう思いました。

 

海外に住む方法はいくらでもありますが、大学時代に大して勉強していなかったという思いがあり、勉強する機会も得られるMBAが選択肢として挙がりました。

 

そんなことを考えていた時に読んだのが今回紹介する本です。

 

私には年の離れた兄がいて、「日本人ならこの人の本位は読んでおいた方が良い」と言われて大前研一さんの本を読むようになりました。

 

おそらくビジネス界で彼ほど世界に知られている人は少ないのではないでしょうか?彼が出した本は世界的なベストセラーになっていますし、かつてはマハティールやリークアンユーにもアドバイスをしていた人物ですから。

 

ネットでは「彼は経済の事を何も理解していないくせに分かったような顔で語る」なんていう批判も見られます。ただ、そんな批判をしている人達が大前研一さんを超えるような偉人になったとは未だに聞いたことがありません。

 

まあ、何をしても一定数反対する人はいるわけですから、そんなノイズを気にすることなく自分の判断で誰から学ぶかを決めればいいのだと思います。

 

この本を読んで、海外に「行ってみたい」という単なる希望から「行かなければいけない」というある種の義務のようなものを感じました。「海外に行かなければ、いつか全く使い物にならない人間になってしまう」と勝手に危機感を感じていました。

 

余りにも単純ですが、この本を読んで「自分も海外で勝負しなければならない時が必ず来る」と思いこみ、より一層英語の勉強に励むようになったわけです。

 

また、大前研一さんの別の本にはこれからは「英語」「ファイナンス」「IT」の能力がビジネスマンに必須となると書いてあって、「ファイナンスに精通するために社会人のスタートを銀行で切るのは間違いではない」と思ったのを覚えています(これは間違いです。銀行員になればファイナンスが分かるようになるとは限りません。別の業界でも学べます。ようは個人の意識次第です。学生の時にはそこまで考えられてませんでした)。

 

 

本の内容

日本は長らく経済成長が鈍化していて、国の財政も改善の余地が見られない。

 

そんな危機的な状況にありながら、日本人の多くは変化を嫌い、世界から学ぼうという意識も無い。むしろ日本はまだ素晴らしい国だと勘違いしている、そう指摘されています。

 

ビジネスに限らずグローバル化がどんどん進む中で、これからは誰もが世界中の人々と競争していかないといけない。

 

このような状況で世界で通用する人間になる為には、日本基準で生きていてはいけない。世界基準で学び成長していく必要必要が有る。

 

国内に成長する機会がなくなった今、豊かで明るい未来を手に入れる為には海外に出るしかない。

 

こういった事を軸に、現状の批判から今後の日本の発展に向けた具体策などが語られています。

 

今の日本人にはハングリー精神が無い、といった事も語られていますが、これに関しては以前紹介した尾原和啓さんの本を読むと必ずしも的を射た意見では無いのかと感じますね。

toshihisa1527.hatenablog.com

 

本の感想

今回本を読んで改めて感じた事を書いておきます。

 

内向きな日本人

本書の中では、海外で勤務したがらないという日本の新入社員の意識やアメリカへの留学生の減少、見当違いな教育改革などを理由に、日本人の多くが内向きだと指摘しています。

 

そしてそんな世界標準とかけ離れた事をやってい日本は、もはや海外から見放されていると。

 

2016-2017年のアメリカにおける留学生の数は、約107万人です。一方の日本は約24万人です。ただ、アメリカが大学と大学院の留学生であるのに対して、日本は語学学校に通う学生約7万人がカウントされています。人口の違いを勘案してみても、アメリカに留学する留学生が多いのが分かります。

 

参照元

www.fulbright.jp

平成28年度外国人留学生在籍状況調査結果 - JASSO

 

日本に関心が無いというのは、私自身アメリカに留学していても感じます。私の周りにいるMBAの学生たちは皆「日本は安全で面白くていい国だ」と言ってくれます。でも、それはあくまで旅行先として良い国なのです。

 

毎年春に、UCLA Andersonの日本人が企画してジャパントリップをします。

 

toshihisa1527.hatenablog.com

みんな楽しかったと言ってくれまして、私も企画してよかったと思いました。ただ、彼らは旅行先としての日本に興味があるだけです。

 

ビジネスや教育に関しては全くと言っていいほど関心を見せません。企業訪問も企画しましたが、参加希望者が少なすぎてボツになりました。

 

日本は単に「遊ぶ先として良い場所」なんだなと感じたものです。

 

で、日本人が内向きという事に話を戻しますが、アメリカに留学する学生のうち、日本人の比率がどんどん下がっていることも指摘されています。

 

2016-2017年の留学生の出身国上位は

  1. 中国
  2. インド
  3. 韓国
  4. サウジアラビア
  5. カナダ
  6. ベトナム
  7. 台湾
  8. 日本

となっており 、人口比で考えても日本人が少ないのが分かります。

 

また、新入社員の海外勤務に対する意識も気になったので調べてみました。2017年の調査において、海外で働いてみたいと思わないと回答した社員は全体の60%に登るとしており、海外を嫌う傾向は現在に至るまで続いているのが分かります。

 

一方で、どんな国でも働いてみたいとする社員は約12%しかいないようです。

 

www.sanno.ac.jp

私は基本的にどこにでも行ってみたいと思っています。機会さえあればアジアだろうが欧米だろうが南米だろうが行きたいです。行った事が無い場所であればなおさらです。というか、そのためにずっと英語を学んできたのですから、「いつ声がかかっても準備万端」の状態にあるわけですが。

 

この調査をよく見てみると、海外経験がない人ほど海外での勤務を嫌っている傾向にあるのが分かります。海外の事をほとんど知らないのに、食わず嫌いをしているわけです。

 

海外に行った事が無いのに、「やっぱり日本が一番いい」という人がいますが、これは私にはまったく理解できません。外側の世界を知らないのに、日本の何が分かるんだと。

 

鳥取県から出た事が無い人間が、「日本で鳥取県が一番だ」と言ったらどう思うでしょうか?

 

「いやいや、東京や北海道、沖縄にも行ってみろよ」と言いたくなるでしょう。

 

都道府県とは言いませんが、少なくとも違う環境をいくつか紹介してみなければ、鳥取の事を客観的に見る事も出来ません。

 

自分が知らない世界には面白いものが沢山あります。楽しい事ばかりではありませんが、全てひっくるめてよい経験なのです。だから、まずは外側に目を向けてみるべきだと思います。

 

 

危機感を抱くかどうかは当事者意識にかかっている

 

本の中では日本がいかに危険な状態にあるかが繰り返し指摘されていて、それでも動こうとしない多くの国民に大して呆れに近い感情を抱いているのが分かります。

 

私が思うに、危機感を抱けるかどうかは一人一人の中に「当事者意識」があるかどうかにかかっているのではないでしょうか?

 

言われたことをやっていれば企業が自分たちの生活を保障してくれる。

 

しっかり税金を払っていれば、国が自分の生活をどうにかしてくれる。

 

多くの日本人はどこか他人任せなところがあるように思います。

 

私は、自分の人生を決めるのは自分自身であるべきだと思います。企業とか国とかに頼るのではなく、自分で切り開いていくべきです。自分の人生に責任を持てるのは自分しかいないのですから、一人一人が自分自身の人生の当事者になって行動していかないといけないと思うのです。