田舎の銀行員日記

MBA日記→ランニングとお酒の日記です。役に立ちそうなことは書きません。

読書感想 橘玲著 『言ってはいけない 残酷すぎる真実』 新潮新書

LAも寒くなってきました。天気は良いですが。

 

冬休みに入っておりまして授業は無いのですが、なんだかんだやりたい事をやろうとすると時間が足りないなと思います。

 

読書すると決めているわけでもないのですが、なんとなく読みたくなって読んでしまいます。習慣の力はすごいもので、一度しみついてしまうと意識しなくても続けられるものですね。

 

 

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)

 

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)

 

 この本の前書きにあるように、著者は「不愉快な本」と言っています。

 

確かに本書で取り扱われる内容は、

 

・人種と知能の関係

・容姿と経済格差の関係

・遺伝と環境が子供の成長にもたらす影響

 

等で、どれも世間で堂々と語られる事が無いものです。研究を通して事実であるらしいことが明らかになっているのに、です。

 

例えば、ユダヤ人のIQは他の人種よりも高いということが様々な研究を通して明らかになっています。中でもアシュケナージユダヤ人のIQは他のヨーロッパの民族よりも1標準偏差高いという事でした。

 

その理由としては、激しい差別を受けて生きていた彼らが、当時キリスト教で忌み嫌われていた金融業で生きていかざるを得なくなった事、ユダヤ教において他民族との婚姻が忌み嫌われていた事などが重なって、数十世代を経る中で遺伝的な変異が起きたという可能性が指摘されています。

 

詳しくは本書に譲りますが、さらに議論は進んで知能と遺伝にはどれほどの相関があるのか、アメリカで実施されているアファーマティブアクション(人種による差別を解消する為の特別処置」は妥当なのかといった所にも触れられます。

 

 

また、容姿と収入の関係では

 

容姿を5段階で評価させて、3を平均として平均以上(4と5)と平均以下(1と2)の人の収入を比較したところ、平均以上の人たちの収入は平均の人より8%多く、平均以下の人たちは平均の人よりも4%少なかった。

 

 

フォーチュン500の上位と下位の25社の男性CEOの顔を見せ、

①力:CEOの能力、統率力、顔の成熟度から判定

②温かみ:CEOの好感度、信頼度から測定

③リーダーシップ:この人物は巧みに会社を運営できるか

を評価してもらい、会社の収益を予測してもらったところ、「力」と「リーダーシップ」の印象だけで極めて正確に予測できた。

  

といった事が例として挙げられています。

 

 

こういった事を公然と述べると激しい批判の対象となります(実際に人種と知能の関係を発表をした学者達は厳しく非難された様です)。メディアなどで大々的に語られることもありません。どんなに客観的な証拠があろうとも、です。

 

 

本の感想

 

差別をしてはいけないという過度な意識が、かえって格差を生んでいる

 

差別につながりかねない事は、いわゆるタブーとして誰も触れたがりません。これは日本に限らず世界共通なようです。ただ、その意識が強すぎると思わぬ形で別の格差を生んでしまう事もあるようです。

 

本書の中では、アメリカにおける黒人差別是正のための措置が、かえって黒人を白人に対して優遇してしまうという研究結果が挙げられていました。

 

良かれと思ってやっている事でも、向き合うべき不都合な事実に蓋をしてしまって知らないふりをすると、別のところで問題を生んでしまうんですね。

 

辛いですが、世間でタブーとされている事に向き合う事こそ大事なのだと感じました。

 

人間の人生は不平等である

 

知能や性格などがある程度遺伝で説明できる、見た目で人生が決まってしまう・・・平等ってのはきれいごとで、本当はこの世に生まれてきた時点であからさまに差がある。

 

残念ですが、本書で掲載されている研究の結果を基に考えると、人生ってのは不平等なんだと考えざるを得ません。

 

もしかしたらいつかは完全なる平等というものが実現されるのかもしれませんが、私が生きている時点では不平等なものとして受け入れたうえで、その中でどう幸せな人生にしていくか、こちらを考えた方がよさそうですね。

 

 

 

本書は不愉快な本とされていますが、世の中にあふれる綺麗ごとではなく真実を伝えているので、私としては痛快な印象でした。

 

また、理性が発達したと言われる人類ですが、理性というのは大して存分に生物的本能に支配された生き物なのだと感じる記述が多く興味深かったですね。